一眼とスカイメモSを使った彗星の撮り方・探し方
2024年10月13日に近地点を通過した紫金山・アトラス彗星は、少しづつ地球から遠ざかって、だんだんと小さくなっていきます。しかし、今月末までいける(撮影できる)のではないか思われます。
そこで今回は、彗星の簡単な撮影方法と見つけ方をご紹介いたします。
今からでも遅くない!彗星を撮影してみましょう!
使用する機材の例
- 一眼カメラ(ミラーレスや一眼レフ)
- レンズ(50mm前後の明るいもの、最大200~300mmのズームレンズ)
- 丈夫な三脚
- 自由雲台
- ポータブル赤道儀スカイメモS
- リモートコード
レンズフードは必ず装着しましょう!
セッティング方法
- 見晴らしのいい場所に三脚を立てる。(日が沈む方角の見晴らしがいい場所。)
- スカイメモSを真北に向ける。(名古屋近辺なら方位磁石の示す北より東に約7度ずらす。)
- スカイメモSの仰角を撮影場所の緯度分の角度にする。(名古屋近辺なら約35度。)
- スカイメモSに雲台とカメラを取り付ける。
まずは見つけるところから
肉眼で見えれば問題ありません。しかし、多くの場合、それがかないません。日がたつにつれ難易度が上がってきます。
スマートフォンの星図アプリを使用して正確な位置を把握しましょう。
おすすめのアプリは、無料のスカイサファリ(Android/ios対応)です。
コンパス→検索→最も明るい彗星→C/2023A3→検索する→
すると画面に矢印が表示されます。矢印の示す方向にスマホを移動させていくと彗星の位置がわかります。
その方向にカメラを向ければいいのですが、どうしても誤差がでますので、まずは50㎜前後の明るいレンズで試し撮りをします。
うまくいけば、画面内のどこかに彗星が写っているはずです。
写っていたら、画面の中央に写るようにカメラの向きを微調整します。
中央に持ってこれたら、望遠レンズに交換しても彗星をとらえることができます。
スカイサファリで彗星を見つける手順
①「コンパス」を押す。→②「検索」を押す | |
③「最も明るい彗星」を押す。 | |
④一番上の「C/2023 A3」を押す。(これが紫金山・アトラス彗星です。) | |
データが表示されまます。⑤「検索する」を押す。 | |
もとの画面に戻りますが、⑥「矢印」が出ます。この矢印の方向にスマホを動かしていきます。 | |
> | 動かし続けると彗星が表示されます。彗星が画面中央に来るようにスマホを動かします。 |
画面中央に来ると矢印が消えます。この方向に彗星があるはずです。まずは広めのレンズで試し撮りをして確認しましょう。 |
今回は近くに金星というとても明るい星が見えますので、それを目安にするといいです。
スマホアダプターを使ってうまく三脚に取り付ければ、スカイサファリとカメラの方向をある程度連動することができます。
ポータブル赤道儀を活用する
しかし、彗星は待ってくれません。どんどん沈んでいきますのでカメラを固定してもしばらくすると画面の外に逃げて行ってしまいます。
そこで登場するのが、ポータブル赤道儀スカイメモSです。カメラの位置が決まったら、スカイメモSを恒星駆動させれば彗星を追尾するように画面中央付近に位置を保つことができます。
追尾することによって数十秒なら彗星の核や周りの星を点像のまま撮影できます。月末に近づくにつれ暗くなるので、望遠撮影には欠かせなくなります。
地上の景色を撮る時は、地上の景色が少しぶれてしまいますので、気になる方は赤道儀をオフにしましょう。
露出について
どんどん沈んでいきますので、なるべく早くシャッターを切っていかないとなりません。早く切るためにも明るいレンズのほうが有利ですが、ISO感度を上げてそれをカバーすることもできます。
あまり上げすぎるとノイズが目立ちますので、許せる上限を見つけて設定するといいと思います。明るさは場所によって大きく変わりますので、ヒストグラムを見て、左右に山がくっつかないくらいの明るさが適正です。
ヒストグラムは地上の景色や雲が入ると大きく変わります。
(参考 下の作例画像の露出データは一番下にあります。)
とにかくたくさん撮ること~出来たら二刀流
ドライブモードを連写にしてリモートコードをロックします。
できたら、望遠でのクローズアップと地上を入れた風景写真の2台同時撮影をしましょう。彗星はレアな天体ショーですからいろんな写真を撮って楽しみましょう。
実写画像
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DATA
①・・・EOS60D EF50mm1.8STM(ISO800 7秒 f5.6)
②・・・EOS60D AF-SVR55-200mmG (ISO1600 8秒 f5.6)
名古屋市郊外にて